2020.01.12
味覚とは何?
今年も県内の小学校3~6年生を対象に「味覚」の授業を開催し、長野県地産地消推進キャラクター「旬ちゃん」と一緒に勉強しました。
和食・洋食・中華のシェフ、パティシエなどの調理人、栄養士、生産者と共に味の基本や五感を使って「食べることの大切さ」を学ぶ授業です。
この授業は、平成24年にスタートしました。「おいしい信州ふーど」である信州産の食材を使い、「おいしい信州ふーど」キャンペーン協賛各社の協力で、「味覚の一週間実行委員会日本事務局」を通じ実施しています。
子どもたちの味覚を育てる授業は世界的な動きでもあります。フランスを中心として、全世界で10月の第3週に一斉に開催されています。本年度、県内では松本市、安曇野市、千曲市、池田町で開催して820人が学び、これまでの8年間で3,000人ほどの子どもたちと学習してきました。
さて、味覚とは何でしょうか。味覚のうち、舌で感じる味は5%だけで、味覚に関する情報の大半は鼻から脳に入って「多数の感覚が混ざり合ったもの」であり、「95%が嗅覚」とフランスのジャック・ピュイゼ博士など一部の学者が言っています。風邪をひいて鼻がつまっているときには何を食べても味を感じない。実は味を感じないのではなく、嗅覚がない状態では「味でしか」感知していないのです。食べ物を口にしたとき鼻で匂いを、舌で味を感じ、それらの情報は複雑に関わり合っていて、その感覚は「風味」と呼ばれています。また、温度、視覚、聴覚も味覚に関わり、食べる時に熱いか冷たいか、どんな見た目なのか、食べた時の音やボリューム感、立体感など「五感」があって「五味」(塩味、酸味、苦味、甘味、旨味)が味わえるのです。
バランスのとれた生活スタイルの中で食べ物の役割の重要性を考え、信州の豊かな風土に育まれた「おいしい信州ふーど」のルーツや原産地、生産方法、質を追及してみませんか。豊かな心は豊かな味覚から生まれるのではないでしょうか。
板花芳博さん
長野県信州ジビエ研究会 需要拡大部会長
内閣府認定公益社団法人全日本司厨士協会長野県本部 相談役
社団法人長野県調理師会松本広域支部理事 安曇野調理師会 副会長