もぐもぐコラム

異日常のご提案

株式会社明神館は松本市で扉温泉明神館などを運営し、「地産地消」にこだわっています。提供する食材や建築資材はなるべく地元のものを使用、また湧水など豊かな自然環境がもたらす恵みを空調や敷地内の散水に活用するなど「地の利」を最大限に活かした運営を創業以来心掛けて参りました。最近、『サスティナブル』(持続可能)という言葉をよく耳にしますが、まさしく私が続けてきたことはそれに他ならない、と自負しております。

何事も続けていくには大きな力が必要です。新たに始めるより続ける方がモチベーションの維持も大切。それには無理をすることなく取り組むことが必須であり、そんな点からも「サスティナブル」という言葉が最近、特に取り沙汰されている気がしています。

私にとって意欲的かつ継続的に取り組みたいと思うものの一つが、故郷・信州の奥深い食文化の普及。愛する信州の「食」を、「おいしい信州ふーど」公使の一人としてより多くの人たちに、そして広く世界に届けたいと願っています。

そんな想いから古民家農泊事業の拠点となる施設『里山再生プロジェクト~Satoyama villa DEN~』を今年、オープンをしました。

▲Satoyama villa DEN

 

明治初期に建てられた古民家に泊まり、敷地内にある広大なハーブガーデンや菜園、水田で苗植えや収穫など季節に応じたものづくりを体験しその土地に根ざした暮らしぶりを楽しむ。ここでは、その地にある日常、つまり訪れた方にとっての『異日常』空間を楽しむと同時に、実際に就農体験をすることが出来ます。

▲田植えや収穫なども楽しめる

 

現在、国内の農業に携わる就農人口の減少がとても問題視されています。私たちの信州でもそれは例外ではなく、このままでは信州の大切な食文化までもが途絶えてしまうというのではないか、という危機感を私は抱いています。この新しい『Satoyama villa DEN』という施設を通して、県内外のたくさんの方に農作業に携わる喜びを知って欲しいと願っています。そして、その中から農業に興味を持ち、実際に就農される方たちが増えることを私は望んでいます。


齊藤 忠政
おいしい信州ふーど公使
齊藤 忠政さん
株式会社明神館 代表取締役
シックスセンス株式会社 代表取締役
「ルレ・エ・シャトー」日本・韓国支部長
地産地消を目指した旅館運営に取り組み、新しい旅館のあり方を提案