もぐもぐコラム

『長野県原産地呼称管理制度』認定ワインとシードルが美味しいわけ

『和食』がユネスコ無形文化遺産に登録された2013年に、『ジョージアの古代から伝わるワイン製法』も同時に無形文化遺産に登録されたのをご存知ですか?ジョージア(旧グルジア)はワイン発祥の地として8,000年の歴史があり、人類はそんな昔から、何故ぶどうからワインが出来るかを知らずに飲み続けてきたのです。そして1879年になってようやくルイ・パストゥールが、微生物である酵母の働きによってアルコール発酵を起こすことでワインが出来ることを解明したのです。これにより、ワインの世界は“生化学”の分野の研究にも取り組みながら栽培、醸造技術ならびに設備の進化をもたらし、ワインの品質が向上してきました。特にここ30年における変革は目をみはるものがあります。

▲最新鋭タンク

 

その一方で、「ワインは自然からの恵み」なのだから、人の手は加えずに微生物のなすがままでワインを造ることを信条とする造り手が増えてきているのも事実です。しかしながら、このように自然な状態でワインを造るというのは、ワインにとって不必要な微生物の介入を許し、不快な味わいになる危険性もはらんでいるのです。

「ワインは自然からの恵み」であり、同時に「ワインは健全で美味しいアルコール飲料」でなければいけないと私は思います。そのためには、自然を生かしながらも健全なブドウを育てるために栽培家は必要最低限度で積極的に手を入れて、さらに、そのブドウの品質を最大限生かして健全なワインに仕上がるためにも醸造家は必要最低限度で積極的に醸造に携わることが必要だと考えます。

長野県が2003年から取り組んでいる『長野県原産地呼称管理制度』のもと、年2回行われる官能審査会では、長野県内で生産されたブドウ、リンゴを使用して長野県内で醸造されたワインとシードルを、知識、味覚(官能)の優れた審査員によって、味わいの判定もされています。すなわち、「ブドウやリンゴの栽培農家さんたちが手塩にかけて育てた健全なブドウやリンゴを、各ワイナリーの醸造家さんたちが健全で美味しく仕上げたワインやシードルですよ」という証、それが認定ワインと認定シードルなのです。

▲認定審査の様子

 

お近くのショップやスーパーで赤色か金色の認定シールが貼られたボトルを探してみてくださいね。

▲長野県原産地呼称マーク


北村 秀雄
おいしい信州ふーど公使
北村 秀雄さん
セラーキタムラ 有限会社北村酒店 代表取締役
シニアソムリエ
長野県原産地呼称制度 ワイン官能審査員
第4回ワインアドバイザー全国選手権大会優勝