2018.11.16
「日本ワイン」の先行く『長野県原産地呼称認定制度』認定ワイン
ワインの原料は、言わずと知れたブドウですよね。アルコール飲料の中で、元来、一滴の水も加えず、原料の風味をストレートに感じることが出来る唯一の飲料、それがワインです。
「良いワインは、良いブドウから造られる」と言われる所以(ゆえん)です。
では、皆様に伺います。「国産ワイン」と言えば、国内産ブドウで醸造された日本のワインのことを指していると思っていませんか?しかしその実態は、日本国内で生産されるワインの実に9割以上が海外産原料(濃縮ぶどう果汁やバルクワイン)を使用して造られたものなのです。それは裏ラベルを見ると「輸入ぶどう果汁使用」等と記載されており、ワインの表ラベルだけでは消費者に分かりにくいものでした。
そこで、国は「日本ワインについて消費者に分かりやすい表示ルールを作り、普及につなげたい」として2018年10月30日より「果実酒等の製法品質表示基準」を施行しました。
これにより日本国内で収穫されたブドウを使用し、日本国内で醸造されたワインだけが「日本ワイン」と明記することができ、濃縮果汁等の海外原料を使用した「その他の国内製造ワイン」と明確に区別することになりました。
一方で長野県は、国がようやく腰を上げた品質基準について、既に16年前から取り組んでいました。それが『長野県原産地呼称管理制度』なのです。
長野県産ワインとシードルについて、年2回(2月、6月)の認定審査を行っています。
認定審査は、「長野県内で生産されたブドウ、リンゴを長野県内で醸造したもの」というだけでなく、知識や味覚(官能)の優れた審査員によって味わいの判定もされています。このため、各ワイナリーは品質向上を目指し、第1回目の認定審査会で20%台であった認定率(出品数に対する認定数の割合)がここ数年の審査会では認定率80%以上にまでアップしました。
官能審査会
「良いワインは、良いブドウから造られる」を具現化して、産地が明確で、なおかつ高品質で、価格も千円台からとお求めやすいクラスから揃っている『長野県原産地呼称管理制度』認定ワインをぜひとも味わっていただき、そして県外へのお土産としてもご活用ください。
北村 秀雄さん
シニアソムリエ
長野県原産地呼称制度ワイン官能審査員
第4回ワインアドバイザー全国選手権大会優勝
ボルドー公認講師