2020.10.15
vol.7 齊藤公使 当たり前の恵みに感謝しよう
長野県に住んでいると、豊かな自然の恵みを身近に感じることが出来ます。
美しい景観や澄んだ空気、おいしい水など数え上げればキリがない魅力のひとつに『食』があります。
たとえば、私が生まれ育った松本市の里山辺地区はブドウの産地で、最盛期を迎えています。しかし、我が家ではブドウを買ったことがありません。隣近所の方が収穫したものを持ってきてくださるからです。そのお返しにうちの畑で採れた農産物などをお返しとして届ける。こんなやり取りが昔から行われ、食材は、食べるだけでなく近隣の方とのコミュニケーションを図る重要なツールにもなっていました。
そして『食』にはお腹を満たすだけでなく免疫力の向上という重要な役割もあります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念される今、特にこの点が注目されています。免疫力アップの基本は腸内環境における善玉菌を増やすこと。そして、この点で大いに貢献してくださっているのが、私と同じ「おいしい信州ふーど」公使を務める料理研究家の横山タカ子さんも提唱する発酵食品です。味噌などが有名な長野はまさに日本を代表する発酵食品の県。食事を通して地元のエネルギーを身体に取り入れ健康が生まれる。こんなに楽しく取り組める健康法はないと思います。
信州産の農産物により親しみを持っていただく取り組みとして、私どもが経営する扉グループでは昨年、古民家を活用したアグリカルチャーのゲストハウス『Satoyama villa DEN』を松本市中山地区にオープンさせました。
この施設では県内外の多くの皆さまをお迎えし、農作業を通じて信州の地が持つ豊かな魅力をご体感いただいています。また、希望によりシェフが出張し、信州野菜の美味しい食べ方・調理法もご提案しています。
土と親しみ、地の恵みに触れる。そして、旬の食材を食することで土地が持つ真の魅力を知ることが出来るのではないでしょうか。
また、地元の農産物を食べることは信州の生産者を応援することにもつながります。コロナ禍の今、家族で食卓を囲む機会も増えていると思います。
皆さんも是非、興味のある信州の味を見つけて長野県を応援していただきたいと思います。
齊藤忠政さん
・株式会社明神館代表取締役
・シックスセンス株式会社代表取締役
・「ルレ・エ・シャトー」日本・韓国支部長
・地産地消を目指した旅館運営に取組、新しい旅館のあり方を提案